為替予約ってなに? その2

為替予約についての解説2回目、前回はトヨタ自動車を例に為替レートと事業計画の関係を解説しました。

事業計画で想定されるドル円レートを想定だけでなく現実のレートとするために、トヨタは為替予約を入れます。

この為替予約とは、あらかじめ指定していたレートで外貨を売買する約束のことです。トヨタが今年の米ドル想定レートを110円としたのであれば、110円の売り為替予約を入れます。これをしておくことにより、トヨタは1ドル=110円のレート環境で利益が出るように自動車を作り、販売します。

仮にドル円レートが想定レートにならなかったとしても、為替予約を入れているので1ドル=110円で売ることができます。
これでトヨタの事業計画は為替リスクの影響を受けずに済むことが分かりましたが、これがFX投資家にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

トヨタ自動車を例に為替予約による為替リスク管理の方法について解説しましたが、それがFX投資家に及ぼす影響について解説していきます。

為替予約は一定のコストを負担することにより、為替変動リスクを取らずにすむデリバティブです。ということは、そのデリバティブを販売した側は一定のコストと引き換えに為替リスクを引き受けることになります。
トヨタが1ドル=110円の売り為替予約を入れていたとして、決済期日に実際のレートが本当に110円であればトントンです。しかし、実際にはそうでない場合がほとんどです。

実際のレートが115円となっていたとしたら、為替予約を入れたトヨタは5円分儲け損ねたことになりますが、それでも利益はちゃんと上がっています。デリバティブを引き受けた側は5円分儲けたことになり、ドル売りで利益を確定しようとします。

その逆に、実際のレートが105円になっていたとしたら、トヨタは損失回避に成功したことになります。デリバティブを引き受けた側は5円の損失ですが、そのレートをいかしてドル買いをします。

これで何が起きるか、もうお分かりですね。実勢レートがどちらに進んだとしても、トヨタが予約した110円に近づくような玉が市場に出てくるということです。

大企業がどのレートで為替予約をしているかを知ることは、その期日にそのレートに近づくベクトルを知ることなのです。






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