なぜ株安と円高はセットになっているの?その4

株安と円高の相関関係について、今回は最終回です。

株安と円高の相関関係について、さらに深いところまで解説していきましょう。今回も外国人投資家の動きによる解説です。

今回の解説でポイントとなるのは、レバレッジです。FXでもおなじみの、少額で大きな取引ができるレバレッジのことです。

株取引にも、レバレッジの概念があります。日本では信用取引と呼ばれているもので、一定比率の証拠金を入れることでその何倍もの株を借りて売買をすることができます。

外国人投資家の多くはこの信用取引を仕掛けてきており、それも外国人投資家の存在感を大きくする理由になっています。FXのレバレッジでもレートが反対方向に行ってしまうと強制ロスカットの危険が高まりますが、株の信用取引もそれと全く同じです。

FX投資家がレバレッジをかけたポジションが強制ロスカットされそうになったら、どうするでしょうか。そのままポジションを捨てる人もいると思いますが、防衛したい場合は資金を追加するはずです。

これが実は、株安と円高を同時に引き起こす大きな理由なのです。

信用取引で日本株を持っている外国人投資家にとって、株価下落は強制ロスカットのリスクが高まります。そのポジションを防衛するためにすることは、証拠金の積み増しです。日本株の信用取引で証拠金を積み増すためには、追加の日本円が必要です。

ここで鋭い方はもうお気づきかと思います、そうです、株価下落が起きた時に日本円を慌てて買っているのは外国人の株投資家なのです。信用取引の規模が大きければ大きいほど、補給する日本円の額も大きくなります。レバレッジの倍数を大きくしているFXのポジションと全く同じです。

かくして、この外国人投資家たちが株安になると円を買い、逆に株高になると証拠金がそれほど必要ないので円を売るため、株安+円高と株高+円安がセットになっているのです。



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